※noteではイラストも入っており読みやすいです
※個人名や地域は特定を避ける為に名称を変更しています。
東北県調査最終日
朝10時、既に車を県境に向けて走らせている。
昨日、ルージュのママさんの話も考慮し、こちらは県境にある夜津波ダムに向かいつつ、道中の店舗やキャンプ場等に聞き込みを。
杉原の方も予定を変更し、彼のエリアも北上し県境に向かう形を取った。
予算の都合とは言え、本日18時がリミット、、、
今回の家出人調査は少しずつ情報が出てきているので
後2日程あれば見つけられそうな感触があるだけに非常に残念だ。
思っていた以上に距離があった為、夜津波ダムのある山の麓に着いたのが14時を回っていた。
ダムまで真っすぐ車を走らせればもっと早く着いたのだろうが、走っている最中に色々と気になる場所や、聞き込みをしたい店なんかがあるもんだから、、、。
「よし、行くか」
あえて言葉にして発し、気合を入れる。
20分程山道を走ればもう携帯は圏外、そこからさらに10分走らせやっと夜津波ダムの端に到着した。
このままダム湖外周を反時計回りに走ってみる。
無料駐車場に1台駐車されているが山田さんの車ではない、
途中、車2台分のスペースがあり奥に何かありそうな場所を確認したので車を停め、奥に行ってみる。
祠?
いや、看板によると神社。
神社というには小さく、あまり手入れをされていないのか少々荒れ気味の場所に出た。
湖畔にあるはずなのに木々に囲まれた少し不思議な場所だ。
社の後ろに回り込んだ時、年配の女性が掃除をしていた。
「こんにちは。」
「あぁ、こんにちは。こんな所でどうしたの?」
「私、家出した男性を探しておりまして、
県内の人達からこの辺りを探してみればなんて言われましてね。」
「そうですか、昔からこの辺には悲しい仏さんがいっぱいいらっしゃるからね、、、」
「お母さんは何されてるんですか?」
「掃除ですよ、大体月に1回ここの掃除をしてるんですよ。
去年までは夫婦でやってたんだけどね、お父さん病気で死んじゃってからは私一人でこうやって掃除してるんです。」
「ご近所なんですか?」
「麓の町だからね、近所といえば近所になるのかしらね。」
「え、麓?
かなり距離ありますよ?
入口のスペースに車は停まってなかったし、バスもないですよね?」
「お父さんが生きてた時は車だったんだけどね、
死んじゃってからは、バスの終点まで行ったら
近くにある温泉宿のご主人が送ってくれるんです。」
「そうなんですね。ところでこの車を最近見なかったですか?」
そう言いながらチラシを見せる。
「うーん、、、
ごめんなさいね、わからないです。」
「いえいえ。
ところで、このダムの周辺ってお亡くなりになる方が多いって聞いたんですが。」
「ええ、昔からよく聞きます。
でも湖畔で見つかる方は少なくて、大半は少し山の中に入った場所で見つかるって聞きますよ。
皆さん、色々理由があるんでしょうが
自ら死ぬぐらいなら、もっと生きていたいお父さんに寿命を分けて欲しかったですよね、、、、
ごめんなさいね、こんな事言うのは不謹慎ですね。」
「、、、」
「そうだ、このダムの北にもう2つダムがありますよ。
そっちが自殺する人がいるのかはわかりませんが。」
「2つもあるんですか、、、」
Googleマップを立ち上げたが圏外なのでもちろん繋がらない、、、
「色々と情報ありがとうございます。もう少し周辺を探してみて、教えていただいた北側のダムにも行ってみますね。
お母さんも気を付けて帰って下さい。」
「ありがとう、もう少しすれば宿のご主人が迎えに来てくれるから。お兄さんも気をつけるんだよ。」
そう言って女性と別れ、湖畔の道を進んだ。
結局、夜津波湖畔は一周出来ず途中で道が終わってしまった為
同じ道を戻るのだが、注意深く探索したが山田さんの車は見つからなかった。
スマホも使えないので、一旦山を下り通信圏内に入ってマップの確認を行う。
※当時はGoogleマップのオフライン地図がまだ使えなかった
確かに夜津波ダムの北に2つのダムがある。
しかし仮に2つ目が空振りで3つ目に行く際、今回の様にいちいち麓まで戻っていたらとっくにタイムアウトになってしまう。
マップをズームしてダムの周辺をよく見ると、細い山道があるようにも見える、この山道が上手く行けば更に北のダム湖に繋がっているようだ。
しかし私の経験上、こういった道は途中から獣道で車なんか通れない道も載っているから油断できない。
まあ、ここであれこれ考えてもしょうがないので、とにかく2つ目のダムに向けて走り出す。
2つ目のダムに着いたのは16時を回っていた。
少し開けた場所に車を停め、周囲を窺う。
先ほどの夜津波ダムとは違い、ダム湖周辺の道が比較的狭い。
車で一周は出来そうだが、先刻チェックした山道がはたして抜けられるのか、、、、
ダム湖奥の道から1台の車がこちらに向かって走ってきている。
私が大きく手を振ったら近くに停まってくれた
車内には50代位の男性と70代位の男性が乗車していた。
運転していた50代の男性が
「どうしたの?」
「すみません、ちょっとお聞きしたい事がありまして。
いま家出している男性を探してるんです、それでチラシを見てもらいたくて。」
「家出した人探してんの?こんな所で?」
「そうなんです、車で自宅からいなくなってもう5日目なんですよ、、、」
そう言いながら車からチラシを取っていると
「何色の車?」
「えーと、赤味掛かった茶色と言うんでしょうか、ちょっと変わった色です。ナンバーはですね、、、」
「あれ、あそこに停まってた車もそんな色じゃなかったっけ?」
「ああ、そうだな。確かナンバーは、、、」
「1122」「1122」「1122」
!!
チラシを見せながら「この車なんですけど」
「やっぱりそうだぜ、あの車だよ。」
「詳しく聞かせて下さい。」
神奈川 横浜の探偵 ブルーフィールドリサーチ
note 横浜 ブルーフィールドリサーチ
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