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横浜の探偵ブルーフィールドリサーチ

神社と探偵と願い事

探偵A:「なぁ、初詣って行ったか?」対象者を追尾中、スマホをいじりながら唐突にそう聞いてきた。


探偵B:「初詣? ああ、行った行った。人混み嫌いだから三が日過ぎた平日にだけどな」


探偵A:「へぇ、珍しいじゃん。お前が神社なんかに行くなんて。信心深い一面があったとはね」ニヤニヤしながらそう言った。


探偵B:「なんだよそれ。別に信心深いわけじゃねぇよ。毎年恒例の親父の付き合いで仕方なく行っただけだ」呆れたようにため息をつく。


探偵A:「そういや実家って、あの由緒正しい神社の近くだったよな。初詣は毎年そこに行くのか?」


探偵B:「ああ、そうだよ。小さい頃から初詣といえばそこだったからな。屋台でチョコバナナ買って、おみくじ引いて、賽銭投げて……」


探偵A:「うわ、地味!俺なんてさ、今年は有名な神社に行って、屋台で色々食べまくって、おみくじは大吉引いて、ついでに恋愛成就のお守りも買ってきたぜ!」得意げにそう言った。


探偵B:「へぇ、そうかい。で、お守りの効果はどうなんだ? いい出会いでもあったのか?」


探偵A:「うっ……それは、まぁ、これからだよ!」顔を赤くして言い返した。


探偵B:「そうかそうか。じゃあ、そのお守りに期待だな。そろそろ彼女作って俺に紹介してくれよ」


探偵A:「うるせぇ! 自分だって彼女いないくせに!」ムキになって反論してきた。


探偵B:「俺は別にいいんだよ。今は仕事が恋人だからな」肩をすくめる。


探偵A:「うわ、キモっ! そういうとこだよ!」顔をしかめてそう言った。


二人の探偵は苦笑する。


探偵A:「なぁ、そういえば……」話を変えようとして、ふと前方に目をやった。するとそこには誰もいなかった。


探偵A:「あれ? 対象者はどこ行った!?」


探偵B:「え? ちょっとトイレに行ってたんじゃ……」慌てて周囲を確認する。しかし、対象者の姿はどこにも見当たらない。


二人の探偵:「まずい! 見失った!」


二人の探偵は焦った様子で周囲を見回している。


探偵A:「どこに行ったんだ……? 」


探偵B:「あ! あそこにいるぞ!」はるか前方で人混みの中を歩く対象者の姿を見つけた。


対象者は人混みの中を足早に進んでいく。


探偵A:「おい! 待ってくれ!」叫びながら対象者を追いかける。しかし、人混みが邪魔をしてなかなか追いつけない。


探偵B:「くそっ! 人が多すぎる!」舌打ちしながら走っている。対象者はどんどん先へ進んでいく。


探偵A:「見失うぞ! なんとかして追いつかなきゃ!」必死に人混みをかき分け対象者を追いかける。


すると対象者はとある神社の前で立ち止まった。


探偵B:「あいつ、神社に入ったぞ!」神社の中へ駆け込む。境内は初詣客で溢れかえっていた。


探偵A:「どこだ……? あいつはどこに……」人混みの中をキョロキョロと見回す。


探偵B:「あ! あそこにいる!」指をさした。


指さした方向を見ると、対象者が絵馬に何かを書き込んでいるのが見えた。


探偵Bはそっと近づいて対象者が書いた絵馬の内容を覗き見る。


そこにはこう書かれていた。

「家族が幸せに暮らせますように」


二人の探偵は顔を見合わせた。


探偵A:「……なんか、予想外だな」


探偵B:「ああ。もっと自分勝手なお願いかと思ってた」


探偵A:「まぁ、いいんじゃないか? 家族の幸せを願うなんて、ちょっと意外だけど悪いことじゃないだろ」


探偵B:「それもそうだな……でもこれ、何か隠してる感じがするぞ」


探偵A:「よし、調査の続きをしよう。やっぱり奴が何をしてるか全部暴くまでまだまだ気が抜けないな」ニヤリと笑う。


探偵B:「そうだな。よし、行こうか」


二人の探偵は真剣な表情で対象者を再び追尾し始めた。


絵馬に書かれた「家族」の意味が

彼らの調査に新たな謎をもたらすことになるとは

まだ誰も気づいていなかった。




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