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横浜の探偵ブルーフィールドリサーチ

不倫はなぜ罪ではなくなったのか―歴史から見る日本の不倫―

  • 3 日前
  • 読了時間: 5分

横浜の皆様、そして全国の皆様。

こんにちは、横浜の探偵事務所『ブルーフィールドリサーチ』代表の青野です。


探偵という仕事をしていると不倫という問題に向き合う機会が非常に多いです。

証拠を押さえる現場に立ち会うたびに思うのは

この問題が単なる感情のもつれではなく

いつの時代も社会のルール家の在り方と深く結びついてきたということです。



前書き

現代において、不倫は犯罪(刑事罰)ではありません。

ですが、依頼者の表情やその後の人生に与える影響を見ていると

とても軽く扱えるものではないと痛感します。


では、日本の歴史において不倫はどう扱われてきたのか。

男女でその扱いに差はあったのか。

今回の記事は、時代ごとの変遷を整理しながら

その背景にある「社会が守ろうとしたもの」を探ってみます。



古代(律令制の時代)

奈良時代〜平安時代

日本最古の本格的な法律『養老律令』において、不倫は姦(かん)という罪として定義されていました。


既婚女性の不倫は明確に犯罪とされ、懲役刑などが科されました。

一方、既婚男性については、「妾(めかけ)」という正妻以外のパートナーを持つことが公的に認められていたため、独身女性との関係は罪に問われませんでした。


ただし、男性であっても「他人の妻」と通じた場合は、家の秩序を乱す行為として処罰の対象となりました。


この時代からすでに、女性の貞操は「血統の純潔を守るもの」として厳しく管理されていたことが分かります。



中世(武家社会)

鎌倉時代〜室町時代

鎌倉時代の『御成敗式目』などが運用された中世では、法よりも家の名誉主従関係が重視されました。


女性の不倫には領地の没収・追放、あるいは死罪

男性の不倫は相手との関係性や身分により変動しましたが、主君の妻などに手を出せば当然重罪でした。


不倫は単なる浮気ではなく、家という組織に対する裏切りであり、経済的・社会的基盤をすべて失うほどのリスクを伴うものでした。



近世

江戸時代

江戸時代に入ると、不倫は密通(みっつう)として非常に重い罪に位置づけられます。


武士階級においては、妻の密通は原則として死罪。相手の男(間男)も同罪とされることが多くありました。


また、夫が妻と間男の不倫現場に遭遇した場合、その場で二人を切り捨てても罪に問われないという法的権利(限定的な自力救済)が認められていました。


一方で、男性が遊郭へ通うことや、側室・妾を持つことは社会的に容認されていました。


女性には極めて厳しい貞操を求める一方で

男性には広い自由を認めるという、非対称性が最も顕著な時代だったと言えるでしょう。



近代

明治時代〜昭和初期

近代国家として法整備が進む中で、姦通罪(かんつうざい)が刑法に明文化されました。


その特徴は二点あります。

まず、妻の不倫のみが犯罪とされ、夫が告訴することではじめて成立しました。

次に、夫の不倫は罪にならない(相手が人妻でない限り)とされていました。


この法律の背景には、当時の民法が基盤としていた家父長制があります。

妻の不倫は「夫の家の血統を汚す行為」であり、家を守るための秩序維持として女性のみを裁く構図が作られていたのです。



戦後(現代)

1947年(昭和22年)の法改革

大きな転換点は戦後すぐに訪れました。

1947年、日本国憲法の施行に伴い法の下の平等に反するとして、女性のみを罰する姦通罪は廃止されました。


国家は男性も罰するように法を広げるのではなく、個人の私生活に国家は介入しないという選択をしたのです。


現代においては、警察が介入する事件ではなくなった一方で

配偶者としての平和を維持する権利を侵害した不法行為として、男女平等に慰謝料請求の対象となります。


刑事罰から民事責任へ、その性格は大きく変わりました。



まとめ

日本の不倫の扱いは、時代とともに次のように変化してきました。


古代〜江戸「家の秩序」と「血統」を守るため、女性への厳罰が中心

 明治〜戦前「家父長制」を維持するため、法律で女性のみを処罰

現代刑罰を廃止し、個人の尊厳に基づく「民事責任(平等)」へ



後書き――探偵 青野より

歴史をたどってみると、不倫という行為そのものよりもそれをどう裁くか、どう扱うかは、いつの時代も社会が何を守ろうとしていたのかを映し出していることが分かります。


古代は血統を守るため。

武家社会は名誉秩序を守るため。

近代は家父長制という仕組みを維持するため。


そして現代は個人の尊厳夫婦の平和を守るため。


時代が変われば、守るべきものも変わり

それに合わせて不倫の扱いも大きく姿を変えてきました。


しかし、探偵として不倫の近くに立っていると

こうした歴史の変化とは別に、ひとつだけ変わらないものがあります。



それは裏切られた人が抱える痛みの深さです。



法律がどう変わろうと社会がどんな価値観を掲げようと

目の前の依頼者が感じている喪失や混乱、怒りや悲しみは

どの時代の誰よりも今ここにいるその人にとって現実で、重い。



だからこそ

私は歴史を知ることは「不倫とは何か」を理解するためであり

依頼者の痛みに寄り添うための視点を持つことだと思っています。



不倫の扱いがどう変わってもその痛みを軽んじないこと。


それが

現代の探偵に求められている役割だと感じています。



神奈川 横浜の探偵 ブルーフィールドリサーチ

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